5.クルベジ®販売戦略手法の検討

5.クルベジ®販売戦略手法の検討

本取組の概要
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 ここでは、取組課題⑤「クルベジ®販売戦略手法の検討」について報告します。現在のところ、市場におけるカーボンクレジット価格は低迷しており、カーボンクレジットのみでは、農地へのバイオ炭を通じて炭素貯留を持続的に行うことには経済的に困難が伴います。そのため私たちの提案している、炭素貯留を行った農地で栽培される野菜のエコブランド、クルベジ®は、経済性を克服する上で大きな鍵を握ります。
 立命館地域情報研究センターを中心に、都市部の小売店や地域市場(道の駅等)において、消費者に対する選好評価を実施し、クルベジ®の有効な販売戦略手法を明らかにしていきます。


2011年度の取組
①初めてのクルベジ®販売と、選好評価@生活協同組合コープこうべ(神戸市)

 2010年1月15日~1月31日の17日間、生活協同組合コープこうべ(神戸市)、60店舗にて初めてのクルベジ®販売を行いました。販売と同時に店頭にて、来訪者に対する質問紙を用いた選好評価を行いました。調査結果は以下の通りです。

調査概要

期間:平成22年1月24日~25日
調査対象地:つかしん店、シーア店
質問紙配布枚数:750枚
回収率:10.4%(78枚)
回答者の属性:

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調査概要
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まとめ

本調査においては、以下のことが明らかになりました。

・クルベジ®の購入に際し、クルベジ®に関する情報宣伝資材(商品パネル、POP等)をきっかけとした購入は弱い要因であった。
・クルベジ®の購入に際し、全般的に「おいしそう」という理由での割合が高く、それに対して、「なんとなく環境に良さそう」や「地球温暖化の防止に貢献したい」といった理由の割合は少なかった。

・環境保全意識の高い消費者の方が、クルベジ®の購入に際して、「なんとなく環境に良さそう」や「地球温暖化の防止に貢献したい」といった理由で購入している割合が高かった。

以上のことから、環境意識の高い消費者層に対しては、クルベジ®の今後の普及の可能性が示されたものの、全般的には、地球温暖化防止としての付加価値を上乗せした形で販売することは、現時点では難しいことが示されました。今後ともクルベジ®の普及の可能性を明らかにするための調査を継続していくと伴に、有効な販売戦略を検討してくことが必要であります。

2010年度の取組
①納涼祭@東本願寺(京都市)でのクルベジ®販売と選好評価
2010年度は、納涼祭@東本願寺(京都市)、地域力文化祭@みやこメッセ(同市)にて、クルベジ®の販売を通じて、来訪者に対する質問紙を用いた選好評価を行いました。調査結果は以下の通りです。
調査概要
本取組課題の位置づけ

期間:平成22年8月1日
調査地:東本願寺(京都市)
質問紙配布枚数:62枚
回答者の属性:


調査結果
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まとめ

 本調査においては以下のことが明らかになりました。
・クルベジ®について、「なんとなく環境に良さそう」という印象は多かったものの、「CO2を削減することに貢献できそう」という、印象は全体の3%(2人)と非常に少なかった。
・消費者が“CO2の削減に貢献する野菜”に対しては購入の意思を持っているにも関わらず、以前の質問でクルベジ®が「CO2の削減することに貢献できそう」という回答が低い割合であったのは、購入者に十分にプロモーションが行われていなかったことが伺える。
・「同じ価格」〜「1割増しまでなら購入する」が全体の68%を占めていた。それ以上の「2割増しまで」〜「3割増しまで」、「それ以上でも購入する」レベルになると大きく割合が低下したことから、1割程度が消費者の“CO2の削減に貢献する野菜”に対する追加的な支払い意思額であると考えられる。

 以上のことから、CO2の削減に貢献する野菜”に対しては、購入者は高い購入意識を持っていることが示されたが、クルベジ®を、“CO2の削減に貢献する野菜”として認識して購入した割合は低かった。今後とも前回の調査課題と同様、クルベジ®をCO2の削減に貢献する野菜として、消費者に認識をさせるための販売プロモーション方法の検討が必要とされる。

②地域文化祭@みやこメッセ(京都市)でのクルベジ®販売と選好評価
調査概要

期間:平成22年1月15日~1月31日の17日間
調査対象地:みやこめっせ(京都市)
質問紙配布枚数:171枚
回答者の属性:

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調査結果
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まとめ

 本調査では、以下のことが明らかになりました。
・「国産野菜」、「有機野菜」、「減化学農薬・減化学肥料野菜」との選好比較では、「国産野菜」や「有機野菜」に比すると「二酸化炭素削減野菜」の選好度は低下することが示された。
・購買者層に関して、有意的な関連性はなかった。
・二酸化炭素削減野菜を実際に商品としてブランド化したことに対して、消費者は高い購買意欲を示していることが把握できた。

 以上のことから、消費者が求める生産基準を調査していくと伴に、どのような購買者層に二酸化炭素削減野菜が好まれるのかを明らかにしていくことで、その客層に応じた場(小売店のみならず通信販売を含む)において、二酸化炭素削減野菜を提供していくことが必要とされる。

今後の課題

 今後の課題としては、これまでの調査結果の詳細な分析を継続していくと同時に、今後とも消費者に対するクルベジ®に関するアンケート調査を実施していく必要があります。今後の調査としては、クルベジ®のパッケージなどのデザイン等の選好評価も視野に入れて進めていきます。これら通じて、クルベジ®の普及を促す販売戦略手法を提示していきます。