4.バイオ炭による炭素貯留について

4.バイオ炭による炭素貯留について

バイオ炭による炭素貯留の長期安定性
出典:International Biochar InitiativeのHPクリックで拡大します。

 バイオ炭とは、木材などのバイオマスを、酸素の少ない密閉した容器の中で加熱し、熱分解を経て得られる炭素に富んだ物質のことです。バイオ炭の炭素の固定期間は、条件にもよりますが、数千~数万年と考えられており、数十~数百年といわれる短期的なバイオマスと比べ、安定性が非常に高く、長期的に炭素を固定すると期待されています(右図:参考)

 このバイオ炭を燃焼利用するのではなく、農地や林地などの地中に埋設することは、植物が大気中より二酸化炭素を吸収し固定した炭素を、より長期安定的に減少に導くことが可能となります。このようにして、バイオ炭は大気中の二酸化炭素を削減に導くことができるのです。この手法をバイオ炭による炭素貯留といいます。

バイオ炭による炭素貯留が二酸化炭素の削減に導く原理

バイオ炭による炭素貯留がもたらす副次的な効果

 バイオ炭による炭素貯留は、安定的な炭素貯留効果だけではなく、副次的効果を合わせ持ちます。
ここでは、その副次的効果を廃棄物処理、土壌改良、代替エネルギー生産の三項目に分けて解説していきます。

1.廃棄物処理の改善
 現在、農林産廃棄物や食品残滓などの処理が大きな課題となっています。また、これら廃棄物は処理過程で、亜酸化窒素(N2O)やメタン(CH4)などの温室効果ガスを放出します。これらをバイオ炭の原料として用いることは、廃棄物処理の改善に繋がるだけでなく、さらなる温室効果ガスの放出も抑制することが期待できます。

バイオ炭による炭素貯留がもつ副次効果クリックで拡大します。

2.土壌改良
 国内をはじめ、バイオ炭は古くから土壌改良材として使用されてきました。バイオ炭の持つ多孔質な構造は、土壌の保水性や透水性、肥料保持性を高めます。また、有用微生物の生息場所となることで、植物の根圏環境を改善し、病害虫への抵抗・予防を高めます。このようにして、バイオ炭は植物の生産性向上に期待ができます。

3.代替エネルギー生産
現在、世界では化石燃料の枯渇が危惧され、代替エネルギーへの転換が模索されています。バイオ炭は生産方法により、生産過程でガスやオイル、熱を副産させることができます。これらを有効利用していくことは、化石燃料に代わる新たなエネルギーとして期待することができます。